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言葉の巡礼/京都

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

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菜食主義になれるか否かを考えていた。人文地理学の講義を受けた日から、環境問題と食肉の関係が頭の片隅を駆けている。常に食べたいと思う、地球最後の日にも思い浮かべるであろう食べ物たちを手帳に綴っていた。 メイトーのかぼちゃプリン、フムス、クリー…

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蒸すアパートの浴槽でかぼちゃプリンを食べ外に出たら終末世界、そんな夢を見た。

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久方ぶりに会う友人は、イッセイミヤケのプリーツパンツがよく似合っていた。神秘的な力(=絶えず流れる音楽と人をダメにするソファ)で帰巣本能を惑わす彼の魔窟から、何とか日付が変わる前に抜け出す。帰宅しクィア・アイを泣きながら観ていると朝。 岡崎の…

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昨日の私、強い意志を託してくれてありがとう。目覚めて5秒も経たぬうちに、水晶鶏づくり。寝惚け眼の頭にSigur Rosの曲を刺しながら、胸肉をひたすらに削ぎ切りへ。片栗粉をまぶし、沸き立つ鍋に入れてゆく。茹でる過程の素晴らしいところは、火が通ると自…

19

古代イスラエル宗教史から始まり礼拝学で終わる、実に神学部らしい一日。夏の休暇の間に、ダルマ落としみたくアラビア語に関する記憶が欠落していて驚く。全てはインシャアッラー、とも言っていられない。 愛しのギッフェルを買いにベーカリーへ行くと、見知…

17

女の子は何でできてできているの?今日の私は間違いなくギッフェルとギッフェルにギッフェル。大学のベーカリーで半年ぶりに出会えたいっとうお気に入りのパン、幸福の集合。 明日の私が無事にまたギッフェルを食べられますように、幸せは鷲掴みで。

13

気候変動の煽りを受けたティラノサウルスがその巨体に不釣り合いな両の手で暖をとろうとしている頃、私は地方都市に暮らす中学生だった。正確には"不登校になりかけの"が正しい。朝に家を出ても列車のホームまで来ると、足がすくみ動けない。学校とは反対方…

11

カラスは骨を突いていた。白く脆い私の大腿骨が衝撃に耐えられず崩れてゆくのを見ている、目が覚める。身の危険を感じたので新しく始めた勤務先に退職を願い出る。辞める理由なんて何でもよかったけれど、誰も傷つかないので夢で見た妙に艶やかなカラスにし…

7

勤務明けにスタバへ寄る。朝から金太郎飴の切り口みたく接客をしていたので、ドリンクを待っている時に入ってきたお客さんに「いらっしゃいませ」と返していた。ガラス扉の向こうに人が見えれば声を掛ける、私はパブロフの犬だ。 読まなければと思いながら床…

5

明け方からミネストローネを作る。冷蔵庫にあるだけの野菜を、親の仇ほどに切ってゆく。スープというよりは汗をかいたサラダができあがった。最後に中濃ソースを少しだけ回しかけると、味が締まり美味しい。 6回に渡り受講していたフェミニズムに関する講義…

3

鼻を触り続けている。頂にできた白ニキビが気になって仕方がない。新しい職場へ出勤する直前、触れていた部分がついに剥がれ落ちた。3日もすれば新しい皮膚が姿を現わすのだろうけれど、絶えず入れ替わってゆく細胞たちを私の一部と認識してよいのか歩きなが…

2

3時間に渡る講義で5分間の休息さえ与えない教授にはなるまいと胸に誓う。誰しもが酸欠の金魚みたく窓の外へ視線を漂わせようと、彼女は公娼制度について幾多もの時代を横断し続けていた。ひたすらに鞄の中へと忍ばせた144kcalぶんのチョコレートの輪郭を辿り…