鼻を触り続けている。頂にできた白ニキビが気になって仕方がない。新しい職場へ出勤する直前、触れていた部分がついに剥がれ落ちた。3日もすれば新しい皮膚が姿を現わすのだろうけれど、絶えず入れ替わってゆく細胞たちを私の一部と認識してよいのか歩きなが…
3時間に渡る講義で5分間の休息さえ与えない教授にはなるまいと胸に誓う。誰しもが酸欠の金魚みたく窓の外へ視線を漂わせようと、彼女は公娼制度について幾多もの時代を横断し続けていた。ひたすらに鞄の中へと忍ばせた144kcalぶんのチョコレートの輪郭を辿り…
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