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言葉の巡礼/京都

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  3時間に渡る講義で5分間の休息さえ与えない教授にはなるまいと胸に誓う。誰しもが酸欠の金魚みたく窓の外へ視線を漂わせようと、彼女は公娼制度について幾多もの時代を横断し続けていた。ひたすらに鞄の中へと忍ばせた144kcalぶんのチョコレートの輪郭を辿り、休憩の一声が挙がるのを待つ。気がついたら講義は終了していた。

 

 22年間生きていて初めてかぼちゃプリンを食べたいと思う。カロリー制限は好奇心と味覚を活発にさせるらしい。1日の終わりに残された120kcalを、メイトーかぼちゃプリンへ贈る。あんまりに美味しくて両の頰が地へと落ち、海は割れ、地には主の祝福が満ちていた。初めてのかぼちゃプリンに敬意を表して、ブログのタイトルを製造記号にするファンファーレと熱狂。111円で暫くはご機嫌をとってゆく。

 

 ラブホテルの横で鈴虫が鳴いている。