FJCP59+BF

言葉の巡礼/京都

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 鼻を触り続けている。頂にできた白ニキビが気になって仕方がない。新しい職場へ出勤する直前、触れていた部分がついに剥がれ落ちた。3日もすれば新しい皮膚が姿を現わすのだろうけれど、絶えず入れ替わってゆく細胞たちを私の一部と認識してよいのか歩きながら考える。明後日の鼻は誰のものなのだろう。答えは隠される、私はお昼を買い逃す。

 

  1000kcalの檻の中で唯一食べることを許されたミラノサンドCを食べに、労働明けのドトール。食事制限を始めてから、一食一食に魂を震わせている。私を構成する細胞が一新しようと、ミラノサンドに使われるパンの美味しさは変わらない。もはや全ての具材を抜きにしたミランサンドCを食べたい。

 

 今日もブルガリアの内蓋にヨーグルトはつかない、私は変化を恐れない。