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新聞配達のバイクが遠のいてゆく音と共に眠り、午後に郵便配達車のエンジン音で目が覚める。煙のように辞めた以前の勤務先で、何喰わぬ顔をして働く夢を見た。
NZに暮らしていた頃からのいっとう大切な友人たちと、近所のレストランで夕食。食べたいものを素直に注文し、誰にも媚びず食べたい分を自分できっちり取ってゆく清々しく緩やかな関係性。彼女たちがいなかったら、間違いなくこの街での暮らしは灰を被っていた。私の光、愛しい人たち。前菜のズッキーニとパルミジャーノから始まり、デザートのピスタチオジェラートとチョコバナナパフェまできっちり美味しく頂く。
胃に穴が空いているのかもしれない、そう顔を見合わせながら2軒目へ。3人で肩を組み高瀬川沿いを歩きながら、どうか物理的な距離が変わろうと今夜の幸福は常に胸に在り続けたいと願わずにはいられない。蒸しエビ餃子の透明な皮を掴むのに苦戦していると、片隅でうずくまるネズミと目が合った。
帰りしなに思い出した、祖母はパフェを「パへ」と呼ぶ。