FJCP59+BF

言葉の巡礼/京都

211

 高校時代からの大切な友人が踊る発表会へ。曇り空の中を、差し入れの生風味茶漬け詰め合わせと共に駆けてゆく。長らくバレエを習い、全国大会常連のダンス部に在籍していた彼女は周りとどうしたって違っていた。指の先から爪先までとうとうと、彼女の努力の軌跡が流れてゆく様をじっと見守る。

 

 終演後に友人のお母様が声を掛けてくださって、友人は不在のままふたりでパーラーに入る。数回しか顔を合わせたことはないけれど、ふたりでひたすらにいかに彼女が舞台の上で輝いていたかを話す。ふたりの間には宮殿のようなフルーツパフェ。シャインマスカットと柿のいっとう美味しい季節で幸せ。

 

 友人と出会ったのはNZの小さな町のショッピングモールだった。お互い暇を持て余し、用もないホームセンターをぶらついていると目が合う。人見知りの彼女が、何故だかその時は食事に誘ってくれた。早くひとりになりたい私は、ただただ彼女がパッタイを口にする様子を眺めていた。どうして仲良くなれたのかはピンとこないのに、この6年間で彼女は私の光になった。

 

 私の大切な人たち、どうかいつも光の方向へ。