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言葉の巡礼/京都

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 吹雪が行き場を失くす駅のホーム。17歳だった友人と私は、お互いの失恋に涙を流しながら「私たちが付き合えればよかったのに」と環境とタイミングを呪っていた。月日は流れ、そんな彼女からiHerbでコンビニ決済を初めて選択したと連絡。iHerbの支払い方法はいっとう煩わしい、これはどうしてもきちんと伝えたい。

 

 気がつけば会話はカレンダー上を容易に横断している。年末に帰省した時に、プレゼント交換をする約束をして電話を切った。久方ぶりに話をした友人は、高校時代に悩んでもがいてイトーヨーカドーの隅でふたりラーメンを啜っていた頃から何も変わっていない。だけれど、お互いが確実に光のある方へ進めていることを実感する夜。

 

 浮き足立つ気持ちを抑えられず、通話が終了した後に映画を一本観た。巨大台風に人々が翻弄されてゆく。あらすじにあった「人々がシェルターに逃げ込むなか、あえて竜巻の渦に向かって突っ走るプロのストーム・チェイサーたち」の一文に笑った。履歴書に書きたい、職業はストーム・チェイサー。